2021 May

 

 
 
 

昨年に続き今年も緊急事態宣言下のGW、それでもカレンダーは爽やかな5月に。フランスでは5月1日はすずらん(ミュゲ)の日、街中にすずらんを売るスタンドが立ち誰もが愛する人に小さな花束を贈る。母から初めて贈られた香水「ディオリッシモ」はすずらんを愛するクリスチャン・ディオールが1956年に発表したロングセラー、母を想いすずらんを飾る。

 

 

 
 

連休も始まりいつもなら軽井沢で集まる友人達もコロナのため「各自個別に屋外で」。まだ少し残る桜から薄日が射す肌寒い朝、ひとまず今シーズン初めてパラソルをセットする。パリから帰国中の友人と日仏のコロナ対応の違いで盛り上がるけれど、やっぱり寒い!

 

 

 
 

昨年来、友人と対面で会う機会は減りもっぱらオンラインに。久しぶりに友人ご夫妻お会いするのも密を避けるため早朝、そして屋外・・・。お堀端に設えられたテラスから真っ青な空をバックに丸の内のビル群と皇居のお堀を眺めつつ旧交を温める。穏やかなお天気の下皇居を拝み心が澄んでいくよう。

 

 

 
 

パリへの出発を前に何かと忙しいGW、ようやく一息つきテラスでアペリティフタイム。夕暮れの光と春らしいピンク色のロゼワイン、暮れて行く空の美しさにすっかりリラックス、パリに帰る緊張感も少しほぐれる。

 

 

 
 

今年も昨年に続き連休中は「各種整理」、いったいいつまで続くのか?さすがに疲れ再び軽井沢へ。早朝のせいか渋滞もなくあっという間に横川のサービスエリアに到着。いつもの事ながら澄んだ空気に迎えられ橋を渡ると景色は鬱蒼とした緑の山々に変わる。

 

 

 
 

旧道にもまだ人が居ない静かな朝の軽井沢、我が家に着く前に諏訪神社に立ち寄る。パリ出発の安全を祈願しお参り、スピリチュアルな静寂は正に鎮守の森。

 

 

 
 

ようやく少し暖かくなり今シーズン初めてテラスでランチが出来そう。風が強いのでいつもとは逆向きに座りお肉を焼く職人のような私、相変わらず家ゴハンは東京と変わらない。デザートまでは居られない風と寒さに早々に退散・・・。

 

 

 
 

例年になく寒い今年のGW、我が家のギャラリーをようやく開ける。白い壁に母の作品が並び久しぶりに会えたような温かな気持ちになる。スキーシーズンはスキーばかりしているけれど、これからは所狭しと並ぶトレーニンググッズで運動不足を解消したいもの。

 

 

 
 
 

子供の頃「モミ」という名前は「軽井沢の大モミの木」が由縁?とよく聞かれたけれど漢字が書けるようになってからは「紅絹」と書いてその由来を話して来た。小さなな私には仰ぎ見る巨木、絵本の物語の様に大きな熊が隠れているかもしれない・・・と怖がっていた大もみの木も今では来るたびにご挨拶。

 

 

 
 

パリに帰る前に友人の美術館にご挨拶に伺う。連休とあって日中は軽井沢も大渋滞、霧に煙るファンタジックな朝のコーヒーをご一緒する。さすがに外は寒くミュージアムショップのある素敵なティーハウス、故坂倉ユリさんの手織りの美しいショールを思わず手に取る。

 

 

 
 
 

いよいよパリに出発の朝、30余年の日仏往復生活でこんなに緊張することはこの先も無い事を祈るほど。アトリエ、事務所とそれぞれに仕事は一段落、山の様にあった発送小包みもほぼ終了。ほっとしつつ少し寂しいような不思議な気持ちで夜明けを待つ。

 

 

 
 

人っ子一人居ない羽田・国際線ターミナルを抜けようやく搭乗。駐機場には私がこれから乗るJALの機体の他にも飛ばない飛行機があちこちに。いつもは離陸の順番を待つ滑走路も今日は一機のみ、ガラガラの機内で珍しく窓側に座ると眼下にはミニチュアの様な街が見えて来る。

 

 

 
 

機体はぐんぐん高度を上げ、雲を突き抜けると遥か遠くに富士山が見えて来る。水平飛行になると久しぶりに見る雲海、その昔のラジオ番組「ジェットストリーム」のナレーション、城達也の声が聞こえてきそう。

 

 

 
 

機体がパリ上空に差し掛かると、5月のパリらしい菜の花畑のパッチワークが見えて来る。大げさではなく「ああ、帰って来たのだ・・・」と安堵にも似た気持ちに包まれる。灼熱の太陽が滑走路を照り付け真夏のようなパリ、タクシーの車内から懐かしい景色に少しずつ目が馴染んで行く。

 

 

   
 
 

その昔はひと月に何回もパリー東京を往復していたことが信じられない昨年からのコロナ状況。前回のロックダウンから半年経っても状況は依然厳しく・・・、セーヌ川は変わらず美しく淡々と私を迎えてくれる。お馴染みの景色にようやくパリの日常が始まる。

 

 

 
 

久しぶりにパリの我が家で過ごす朝、早速マルシェに行こうにも街はロックダウンでスーパーマーケットしか開いていない。静まり返った街を歩いてまずはスーパーの中のミニ・マルシェへ。ロックダウンでも季節は巡り、バスケットの中には白や緑のアスパラガスやアーティチョーク(朝鮮あざみ)が並びパリへ帰って来た実感。

 

 

 
 

ロックダウン中の戦勝記念日とあって街は果てしなく静まり返っている。ガレージに置きっ放しの車はバッテリーが上がり友人の車と繋いでもエンジンは掛からず、バッテリーチャージャーに繋いでもウンともスンとも言わない・・・。

 

 

 
 

数年前「手話を使った聾のチャリティー」活動を始めた頃、ご一緒して頂いた裏千家の友人にお着物を着つけて頂く。長い間着る機会もなく着付けの順番も忘れてしまいお恥ずかしい限り。お隣のホテルのオーナーのご好意で中庭でお茶を頂く。パリで着物はなかなか恥ずかしい・・・。

 

 

 
 
 

留守中の郵便物の整理も終わり書留を受け取りに郵便局へ。かつては朝イチバンに行くと開局前から長蛇の列だったことも今は昔。9時に着いて表示を見てびっくり、お昼からしか開かないとは・・・。メールの普及で「手紙・切手」は遠いアイテムになりつつあるのは世界共通なのだと知る。

 

 

 
 

世界中がコロナのパンデミックに襲われ人の往来が完全にストップした昨年。住民税や固定資産税の支払いが未だに小切手というこの国、所定の用紙を受け取れないまま期日が過ぎた人が税務署に押し寄せる。私も例外ではなくソーシャルディスタンスで並ぶこと小一時間。ゴージャスな担当マダムがあっという間に書類を仕上げてくれ、マスカラたっぷりの大きな瞳でバチバチとウィンク。さすがフレンチ・マダムの迫力!

 

 

 
 

パリの家のインテリアも長い間放っておいたので少しずつ片付ける。前回の滞在で架けたカーテンをようやく採寸、裾を纏りカーテンリングの元をくける。陽の差し込む真っ白いアパルトマンで静かに手芸をする何とも心休まる時間。

 

 

 
 
 

5月のパリはお天気も安定して日も長く一年で最も美しい季節。本来ならカフェのテラスには人が溢れ眩しい日差しの中でお喋りに興じるパリらしい光景が広がるはず。今年はロックダウンで静まり返った街、どちらを向いても人っ子一人居ない我が家のある通り。せめて街並みの美しさを楽しみたい。

 

 

 
 

いつもは車族の私もパーキングに長く放置している間にバッテリーも上がり、久しぶりに乗るメトロは駅が次々に新しくなっていて驚く。パリとは思えない未来都市のようなマドレーヌの駅。地上に上がるとクラシックなマドレーヌ寺院、ルーブルのガラスのピラミッドの様に新旧のコントラストこそパリなのかも知れない。

 

 

 
 

車だとパーキングの時間が気になってつい足早になるけれどメトロで来た日は何となくのんびり、マドレーヌの花市を覗く。ロックダウン中でも花屋さんや画材屋さんが開いているのもパリらしい。バラ専門のスタンドを通ると香水のような濃厚な香りに思わず立ち止まる。

 

 

 
 

パリの携帯電話は料金も使い勝手も日本とは比べ物にならない。自動販売機でSIMカードを買い入れ替えるだけでフランスの携帯番号が決まり自由に使える。若いスタッフの素早いサービスに目を白黒、ITネイティブと呼ばれる世代の自由な雰囲気が清々しい。

 

 

 
 

コロナで激変したのはサンジェルマンの街だけではなくLUXEなブランドが並ぶサントノーレも然り、ハイジュエリーのブチェラッティやグラフのブティックも、香水のゲランも閉まり華やかな面影すら遥か遠い記憶、コロナの影響は長く重い・・・。

 

 

 
 
 

カフェもレストランもクローズで友人と会うのはもっぱら公園、パリの公園事情にもすっかり詳しくなった。サンジェルマン・デ・プレ教会のお隣にある可愛らしいお庭、ピカソの作品であるアポリネールの像がさりげなくあるのもパリならでは。シカゴから来た友人と久しぶりの再会を祝う。

 

 

 
 

私の住むサンジェルマンはパリ6区、区役所のワクチン予約センターに出向く。もはやワクチン接種の予約に躍起になっている人は居ないようで受付けのマダムもゆったり、「いつが良い?」と余裕の笑顔。あまりにも暇で・・・と美しい中庭を案内して下さる。

 

 

 
 
 

フリッツ・ラングの映画「メトロポリス」のワンシーンのようなCITEの駅、駅構内とは思えない巨大な吹き抜けと鉄で覆われた階段、街灯のような丸い照明・・・。古き良きパリのメトロの面影を残したこの駅もオートドアや発着時刻の電子掲示板など、着々と近代化が進んでいる。

 

 

 
 

いつもは入り口からごった返している警視庁も今では全てが5分刻みのアポイント制、閑散とした様子に驚く。コロナが始まった頃はソーシャルディスタンスで並ぶようにと外まで長蛇の列が続いていた。距離を取る指示のパネルも今となっては懐かしい。

 

 

 
 

久しぶりにパリに帰ると車検の書類を揃えに警視庁、日本ではあり得ない税金の請求間違えの交渉に税務署、と渋い雑用に追われる日々。ようやく一段落してゆったりとセーヌ川を眺める余裕も・・・。左岸から右岸に渡る橋から眺めるこの景色にどれだけ癒されてきたことか、パリは本当に美しい。

 

 

   
 
 

ロックダウン中の最後の週末、街はいつにも増して静かな朝。薄く靄がかかったような不思議な白い朝、唯一開いているブランジェリーに焼きたてのパンを買いに行く。

 

 

 
 
 

今週末も友人と会うのはパレロワイヤルの公園。ルイ14世がルーブル宮から移り住んだことからル・ノートルによって1674年に再設計された2ヘクタールもある敷地には菩提樹やマロニエの木々が整然と並び、自然を幾何学的に演出する手法はどこかヴェルサイユを思わせる。美しい回廊を歩きポール・ビュリーの彫刻を眺めつつお喋りも楽しい。友人作のルバーブのタルトはピクニックにはもったいないほどの美しさ。

 

 

 
 
 
 

サンジェルマン・デ・プレ教会のはす向かいに建つアパルトマンに住む友人から、インテリアを変えたから見に来ない?と素敵なお誘い。「パリのアパルトマン」という本にも掲載されている美しいお部屋の数々、今回はエントランスからクリームイエローとローズピンクと展開しそれぞれの色に合わせた家具や調度品に入れ替えたと。教会の鐘の音を聴きながら次回はぜひお茶をご一緒しましょうと肘でご挨拶、早くマスクナシでお喋りできる日が来ますように・・・。

 

 

 
 

サンジェルマン・デ・プレの駅はディスプレイが面白く毎回楽しみにしている。コロナで長く留守をしている間におしゃれなレリーフの文字が浮かび上がる様にレイアウトされている。いつもは車だけれど久しぶりにメトロに乗ると次々に近代化される駅の新しいシステムに驚く。

 

 

 
 

フランスでも保険の見直しはとても大切、ライフスタイルの変化に応じてメンテナンスが必要なのは何処も同じ。年に一度の担当者とのアポイント、フランス人らしくひとまず近況のお喋り。しかしこの雑談こそ意外に重要で私の細々した困り事にも対応して下さり本当にありがたい。担当のC氏の目下の話題は「FUTONを買おうと思って・・・」こんなフランス人は意外に多い。オペラ座界隈には日本の名前のブティックが色々あり興味深い。

 

 

 
 

コロナの影響で長い間ガレージに放置してあった私の小さな車、バッテリーを変えようにもパリ中のお店にバッテリーのストックが無いという非常事態、とうとう最終手段であるレッカー移動を頼む。今日に限って携帯電話が壊れレッカー車の到着を道で待つこと1時間半!遠くに派手な車が見えた時は嬉しさのあまり駆け寄る。入れ墨だらけのお兄さんがバッテリーを繋いで30分、何とか動くけれど「エンジンを切ったらアウトだからこのままガレージに行け」と・・・。おぼつかない私に不安を感じたのかガレージまで先導してくれる。飛ばしまくるお兄さんにクラクションを鳴らしながら着いて行く私、スリル満点の久しぶりのドライブ。

 

 

 
 

ホウホウの体でNISSANに着くと担当のS氏が笑顔でお出迎え、本当にほっとする。ヴァカンス前のメンテナンスや修理でガレージは15分刻みのアポイントでいっぱい、携帯の通じない私には連絡のしようが無かったから・・・と明日には付け替えて貰えることになりレッカーのお兄さんも自分の事のように喜んでくれる。

 

 

 
 
 

担当のS氏は早目のヴァカンスを終えたばかりで上機嫌、久しぶりのお喋りも楽しくメトロの駅まで送って下さる。途中、前から見たかった教会を通ると「神父様はご近所さんだからね」と内部を見学させて頂く。皆さんの優しさに助けられ無事にここまでたどり着いたと感謝の気持ちでお祈りする。光の溢れる透明感のある礼拝堂は心が洗われるよう。

 

 

 
 

いよいよロックダウンも終わりカフェのテラスが再開する今日。街も人も朝からそわそわ、見知らぬ人でも目が合うとニッコリ、それほどパリの生活にカフェは無くてはならない存在。ガレージの人達も上機嫌、担当のS氏とカフェでエスプレッソをご一緒しようやく帰宅。岸沿いの道に差し掛かりエッフェル塔が見えると本当にほっとする。カフェとエッフェル塔は無くてはならないパリのマストアイテム。

 

 

 
 
 

久しぶりに市内を車で走って見ると、街中工事だらけ。更に新しく出来た自転車専用道路、乗り合い電気自動車とそのチャージャー、乗り合い自転車のベリブ、と車族には嬉しくない条件が重なる。その上、既に始まった2024年のオリンピックに向けた大規模工事で至る所通行止め、地図が全く役に立たない最近のパリ。

 

 

 
 
 

いよいよカフェのテラス席が再開!昨年の10月24日から続いた全面閉鎖もワクチン接種の急速な進みに助けられようやく迎えたこの日、街中のカフェが溢れんばかりの人で賑わい我が家の下のカフェもいっぱいいっぱい。「どうしていた?」と次々に肘をぶつけ合い「AFTERコロナ」が始まった実感。

 

 

 
 

5月19日を境にパリの街は一気に活気を取り戻しカフェのテラスは鈴なりの人、至る所にあった仮設のPCR検査のテントも撤去され車で市内を回って見ても「あれ?あそこにあったはず・・・」。その煽りで正規のラボの予約はいっぱい、ようやく探し当てたラボは歩けば15分の距離にも拘わらず車で出るという大ミステイク、とんでもない渋滞で一時間半もかかる。スタッフの方に検査を受けるお部屋を見せて頂きようやく一安心。

 

 

 
 

パリの渋滞はコロナの影響で拍車が掛かったよう。マイカー通勤を許可する会社も増えにわかドライバーも急増。そこにウーバーイーツなどの宅配バイク、通勤通学の自転車やキックボード、一輪車などというツワモノも。空いていれば15分の距離もこの大渋滞で2時間近くもかかる!ギリギリで通ろうとするバイクや自転車を右に左にハンドルを切り通してあげる・・・、こんな譲り合いもパリらしい。

 

 

 
 

もはや間に合わないだろうと諦めていたポンピドーセンター、大渋滞のおかげで入場締め切りギリギリに到着。更に予約制らしくQRコードを持たない私が帰ろうとすると「ほら、早く入って・・・」とウィンクするエントランスのオバチャン、何ともパリらしい出来事。久しぶりに触れるアートな空間に細胞が蘇るよう、階上からパリを一望するとお馴染みの景色にほっとする。

 

 

 
 
 

連日の大渋滞に疲れ、当面車に乗りたくないと思うほど。久しぶりに快晴の朝、サンジェルマン教会を見上げる公園で朝のコーヒーを楽しむ。こんなコロナ禍の日々もそろそろ終わり、人々はカフェに戻り懐かしい日常を少しずつ取り戻して行くはず。我が家のカーテンも新調、美しい5月の光が真っ白な壁に眩しい。

 

 

 
 

昨年の秋以来全てクローズだった美術館もようやく再開、一昨年改修が終わったパリ市近代美術館に行く。眩しい光の中で見るソニア・ドローネーやデュフィの大作に心が澄んでいくよう。長くパリに住んでみるとデュフィ作品の持つ陽気な透明感のある画風はパリそのものという気がする。

 

 

 
 
 

コロナ禍で日仏の往復が最も難しい時期に、あろうことか車検が回って来る。パリ市内を横断するように北上し環状線ギリギリにあるガレージまで平日なら3時間かかっても着かなそう。連日の渋滞に凝りて土曜日の朝イチバンに予約を変更、あっという間に到着する。トラムが走る巨大な道路も見渡す限り人も車も居ない・・・、もうすぐ私の愛車の番。

 

 

 
 

19日のカフェ解禁以来、外出制限も19時から21時に延長され街は賑わいを取り戻した。夜が最も長いこの時期に21時はかなりツラいものがあるけれどパリの人々は意外にも厳守している。いつもならごった返す土曜日の夜のバスティーユ広場や岸沿いの道、20時半を過ぎると一斉に車も人も姿を消す魔法のような夕暮れ。

 

 

 
 

学生の頃に住んでいたセーヌ川沿いのノートルダム大聖堂をのぞむカルチェ・ラタン、いつも宿題をやっていた懐かしいカフェも健在。大規模火災で焼失した尖塔の再建工事のクレーンが遠くに見える・・・。

 

 

 
 
 

一昨年、2019年4月に焼失した尖塔の再建工事もコロナに阻まれなかなか進まない。火災から2年が経ちパシュロ文化相は2024年のオリンピック開催に合わせて一般公開を再開するという発表。朝陽を浴びて燦然と輝くノートルダム大聖堂、再びクレーンの無い景色が見られる日が来ることを願わずにはいられない。

 

 

   
 
 

多くの著名人が埋葬されている事で知られるパリ最大の墓地、ペール・ラシェーズ、なだらかな丘陵地であり豊かな緑に包まれているため日頃から墓地というより公園の様に親しまれていたけれど、コロナの影響で今では週末になると座るベンチが全て満席ということも。眩しいお天気の中、友人のご主人のお墓参りにご一緒する。

 

 

 
 

詩人のアポリネールや作曲家のショパン、ロッシーニ。画家のドラクロア、スーラ、ピサロ、ダヴィッド。作家のバルザックやプルースト、モリエール。アーティストのマックス・エルンスト、モディリアーニ。歌手のマリア・カラス、エディット・ピアフ、俳優のイヴ・モンタン、シモーヌ・シニョレなどフランスの文化や歴史に名を遺した人々のお墓があるため、世界で最も訪問者の多い墓地だそう。爽やかな風に吹かれ友人とお喋りしながら歩く素敵な時間。

 

 

   
 
 
 

ようやく美術館も再開、久しぶりにパレ・ド・トウキョウに行く。老舗出版社Cahier d'Artがプロデュースするブックストアの充実ぶりは相変わらず、世界中のアート雑誌が読める。至る所にソファやテーブルがあり写真集や作品集をじっくり見たりお喋りに興じる人々、なんとも自由な雰囲気が素晴らしい。パリで最も好きな美術館。

 

 

 
 

日中は渋滞がすご過ぎて車は使い物にならない、ならばと早朝にスーパーマーケットに行こうとするも配達業者のトラックで既に大渋滞。ほとんどが一方通行の狭い一車線のサンジェルマン、道幅いっぱいの巨大トラックが道路を塞ぐ。荷物の積卸しも焦るわけでもなく実にゆったり、クラクションを鳴らす人も居ない。フランス人はやっぱり驚くほど気が長い・・・。

 

 

 
 
 

パリでは既にワクチン接種が進みPCR検査は過去のものになりつつある。19日のロックダウン緩和以来、仮設のPCR検査テントは撤去されクリニックで受ける以外の方法は無くなった。フランスの検査は鼻咽頭がメイン、そして無料・・・。

 

 

 
 
 

街は劇的に蘇り息吹を吹き返したけれど空港はまだ無人、見渡す限り人っ子一人いない・・・。パスポートコントロールもセキュリティチェックも余りに空いていて順路が解らなくなるほど。回転寿司のカウンターも寂し気、いつもはごった返すお手洗いもどこぞのショウルームのよう。機上から空を眺めつつ劇的だったパリの日々を想う。

 

 

 
 

殆ど他の乗客が見えないガラガラのJALですっかりリラックスして羽田に到着、イキナリ現実に引き戻される。腕に緑の札を付けられ誘導されるままに各種書類のチェック、必要アプリのインストール、誓約書の確認、PCR検査と続きようやく入国。ターンテーブルの荷物も係の方があらかじめスタンバイ、ずらりと並ぶバスで隔離施設のホテルへと向かう。

 

 

 
 

隔離施設に到着すると厳戒態勢のエントランス、搭乗便とPCR検査の番号で振り分けられ係の方から諸々の説明を受け ようやくお部屋へ。大画面のBBCも同じくコロナのニュース、世界中が未だにパンデミックの渦中にあることを実感する。

 

 

 
 
 
隅田川に面した16階の高層階から眺める夕陽の美しさ、刻一刻と変わる空の色とドラマティックな夕暮れにすっかり癒される。隔離期間ももうすぐ終わり・・・。

 

 

 
 
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ようやく3泊4日の隔離期間を終えPCR検査陰性の証明、晴れてホテルを後にする。羽田空港からホテルまで膨大な人数の方々が各部署に配属され、そのチーム力と連携ぶりは目を見張るほど。全てに配慮の行き届いた対応に感謝しつつ羽田空港に向かうバスに乗り込む。窓からの景色がいつになく新鮮、東京ベイゾーン、有明アリーナが見え全て来る。

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